皆さんこんにちは!
今回のテーマは「歌と脳の関係について」です。
では、いってみましょう〜!
脳は優先順位で動く
今から約10年ほど前に道路交通法によって「携帯電話で通話しながらの運転」が処罰の対象になりました。
これは「通話によって、運転への集中力が削がれることで事故を起こす可能性が高くなるから」ですね。
運転と通話。
2つのことを同時に行うと対象への集中が分散してしまうからです。
他にも、野球中継を見ているお父さんに、「あなた」と声をかけるお母さん。
しかし、お父さんは野球中継に夢中で全く気付きません。
「あなた!!」
ようやく、お父さんは気が付きます。
どうして、このようなことが起こるのでしょうか?
実は脳の神経というものは、トーナメント表のように分岐しながら張り巡っています。
簡潔に言うと、どれだけ同時に情報を受け取ろうとしても難しいのです。
逆に情報量は無限の数です。
その中で脳は優先順位を決定しながら、厳選した情報のみを受け取ります。
野球中継が優先情報のお父さんの耳に、お母さんの声は届きません。
大事な仕事の通話が優先情報だと脳が判断したドライバーは事故を起こすことになります。
脳は省エネで動く
脳は、なぜこのような仕組みを形成するに至ったのでしょうか?
答えは簡単です。
もし脳が1日中、様々な情報を同時に処理し続けるとなると完全にショートしてしまいます。
無数に身体中に張り巡らされた神経回路からの情報を一気に脳が処理しようとすると、脳の消費エネルギーが莫大になりすぎてしまいショートを起こすのです。
人間の脳は、しっかりと情報処理を省エネにすることで無駄なエネルギーを使わないようにしています。
(優先ではない情報はどうでもいいので感知しないようにしている)
これは人間の、生存を最優先とした進化形態とも言えます。
歌ではどうなのか?
ここまで脳の神経形態について簡潔に書いてきましたが、そろそろボイトレブログに戻りましょう。笑
そう。外部コントロールを同時に複数行った場合です。
まず、腹式呼吸の一点のみに集中した場合は高い集中力で行えることでしょう。
では一つ増やしましょう。
そうですね、共鳴位置の意識にしましょうか。
腹式と共鳴、二つの意識となったことで腹式呼吸への集中は先ほどよりも削がれます。
では3つ目を足しましょう。
そうですね、構音(発音)をハッキリ行うように意識してみましょう。
腹式、共鳴、構音です。
同時に高い集中力で挑みましょう。
それから歌にも気持ちを込めてくださいね。
・・・無理です。もう脳は完全に処理できません。
このように、構造上不可能な事柄に挑むことは残念ながら何の意味もありません。
過去の偉大な発声学者達は現在ほどの医学的知見がなかったにも関わらず、このことに気づいていました。
フースラーも、リードも各々言い方は違えど複数の意識をすればするほど歌の完成からは遠ざかると断言しています。
脳からの神経回路はトーナメント表のように枝分かれします。
その中で必要な情報のみを優先的に脳に繋げます。いくら沢山のことを同時に遂行しようとしても無理です。人は、通話しながらの運転ですら事故を起こします。
歌う際に、沢山の意識を同時に働かせることも脳の仕組み上、不可能です。— U-ma☆ボイトレマニア (@MVS_music) 2018年5月5日
まとめ
まとめ①脳は優先順位を決めて、省エネで動く
まとめ②歌でも、沢山の意識を同時に処理できない