【悲報】喉を広げる方法はありません【プロのボイストレーナーが解説】

皆さんこんにちは!

歌声クリエイターのU-ma(ゆーま)です。

 

 

今回のテーマは『喉を広げる』についてです。

 

 

つい先日、レッスン中にこんな会話がありました。

 

生徒さん
そういえば、先生って「喉を広げろ」って言いませんね?

ゆーま
はい。言いませんね〜。

 

生徒さん
なぜですか??

ゆーま
広がらないからです。笑

 

 

というものです。

やはり未だに、喉を広げるという矛盾した日本語が日本のボイストレーニング界に浸透しているんだなと感じました。

 

この『喉を広げる』という訓練も、おそらく練習しているシンガーさん達は裏付けを持たずに行っていることでしょう。

 

 

ボイストレーニングは、その練習がどのように効果があるのか? 

逆に、なぜ効果が無いのか?をハッキリとさせていかないと時間がいくらあっても足りなくなります。

 

 

では、いってみましょ〜!

喉とはどこを指すのか?

まず、重要なこと。『喉を広げる』の「喉」とはどの部分でしょうか?

 

 

その①喉ちんこの辺り?

 

 

その②喉仏周辺の辺り?

 

 

その③気管全体(首の全体)?

 

 

 

「喉を広げる」の解釈がひとりひとり異なることも、問題点の1つです。

 

 

 

さらに、もし②と③の部分を指している場合は更に深刻な問題が横たわります。

喉は広がらない

まずは、この画像をご覧ください。

 

 

この画像のオレンジ色の部分は気管軟骨という軟骨組織です。

 

 

この軟骨は外部からの衝撃に気管の粘膜が潰れないように保護しています。(さらに、可動性は確保するために掃除機のホースのように間隔を空けながら配置されています)

 

 

実は気管というものは、この気管軟骨によってロックがかかっているのです。

残念ながら、気管軟骨が配置されている範囲は、いくら粘膜を広げようとしても広がらないようになっているのですね。

 

もちろん喉仏のある甲状軟骨部分も広がりません。

 

 

となると、この写真の部分は全て広がらないのです。

 

 

 

ですので、先ほどの1、2、3、の部分の中では1の「喉ちんこの辺り」であれば広げられますそれ以外の部分では絶対に不可能なんですね。

 

努力しても達成不可能なことには挑む意味はありません。

根拠が何より必要

これは以前の記事でも書いていますがトレーニングには根拠が必要です。

 

 

「喉を広げなさい」とリクエストされたことが、実は物理的に不可能だとした場合、時間だけが無駄に過ぎ去ったことになります。

 

この時間を保護する方法が、唯一根拠を取っていくことしか無いのです。

まとめ

まとめ①喉は広がらない(この記事で書いた②と③の部分)

 

 

まとめ②根拠の示せないトレーニングは時間を無駄にする可能性がある

 

 

ゆーま
医学的には「ノドチンコ」の辺りは「咽頭」と呼びます。ですので「喉を広げる」というのは言葉的にはかなり矛盾があるのです。
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