皆さんこんにちは!
今回のテーマは「共鳴レンジ」についてなのですが、このテーマについて書こうと思った出来事を先にご紹介させていただきます。
以前、ボイストレーナーの方とのディスカッションの際に
と聞かれたので、
と答えました。
するとボイストレーナーの方は
と質問されました。
この最後の質問は本当に良い疑問であると思います。
歌の中で使わないであろう超低音、超高音をしっかり響かせる(喉に過緊張なく)ことに何の意味があるのか?
ここに焦点を当てて今回は記事を書き進めたいと思います!
響きの持つチカラ
共鳴とは一言でいうと響きのことです。
分かりやすく説明すると、洞窟の中で手を叩いた際に反響するのと全く同じ原理が体でも起こっています。
声帯で起こった振動音というものは脆弱なので共鳴腔(口腔、副鼻腔、鼻腔、咽頭、などなど)の中で反響し音を増幅させながら声に変わります。(詳しくはこちらの動画でも説明していますのでご覧ください)
まず、小さな音が響きのチカラで増幅されるということを知ってください。
そしてもう一点、共鳴は音の高低に比例して響きが高低することも知ってください。
(音が高くなれば、響く場所も高くなるということ。ですので低音なのに鼻に響くなどというものは「音に対して共鳴位置が高い」ので金切声や鼻閉音を誘発しやすくなります)
例えば、常に鼻腔共鳴を意識することを考えます。
共鳴は動画でも説明した通り【音の高さ】に比例して推移します。
地声の低音域を鼻腔共鳴させたとすれば、かなり違和感のある鼻声へと変貌します。
これは低音域の共鳴ゾーンが鼻腔ではないため(共鳴位置が高すぎる)です。— U-ma☆ボイトレマニア (@MVS_music) 2018年1月21日
余裕を持つ者と、そうでない者
共鳴には更に低域共鳴と高域共鳴で違った特徴があります。
それは、低音部の共鳴がしっかり響く方は声に厚みがでる。ということ、高音部の共鳴がしっかり響く方は声に奥行き(きめ細かい響き)がでる。というものです。
ですので、話声や歌声を聞くとある程度その人の共鳴レンジの予想がつきます。(正しい響きでどの程度まで音の最大高低幅を持つか)
というのも、中音域であっても話声や歌声の中で高低の共鳴成分がどれだけ含まれているかで声質は決定されるからです。
ここまで説明を終えて、先ほどのボイストレーナーの方の質問に戻りましょう。
例えば歌の中でC5ファルセットのロングトーンが出てきたとします。
Aくんは苦痛なく高音部をA5まで出せます。BくんはD5までです。
二人ともC5は過緊張なく発声できるんです。
でも音質の豊かさ、ピッチの安定感、余裕というものはAくんに軍配です。
仮にA5という高音を歌の中で使わないとしても歌唱中に出てくる音域の響きに、ゆとりや厚みを増すために広範囲の共鳴を確保することが必要なのです。
まとめ
まとめ①共鳴とは響きのこと
まとめ②共鳴は音の高低と比例しながら高低する
まとめ③低域共鳴がしっかりすると声に厚みが出る
まとめ④高域共鳴がしっかりすると声に奥行きがでる(きめ細かい響き)
まとめ⑤共鳴レンジを綺麗に広く保つ(歌で出てこないところまで)ことで声質自体の改善に繋がる