皆さんこんにちは!
今回は、『声帯を動かす筋肉たちの筋力が上がってきた際の音質の変化』について記事にさせていただきたいと思います。
動画付き記事の最後にYouTube動画でも説明しています。
では、今回も楽しみながら、いってみましょう!
この記事の目次
筋力強化の進行は音質にしか反映されない
発声における『筋力の成長は音質にしか反映されない』という考えは、声帯周辺の筋力強化に成功してきた方は納得されることかと思います。
例えば裏声を発声する際に重要になる筋力が強化されると今まで通りに発声している裏声がハッキリと輪郭を持ち始め、口の外で響く感覚を得ます。
このように、筋力強化が成功しているのか否かは音質の変化をもってのみしか判断する術はありません。
喉の筋肉だからといって、外見的に喉の形状が変化したりということではありません。
※喉頭懸垂機構と呼ばれる、喉頭を吊っている筋肉や、吸気筋である胸鎖乳突筋などは、強化されると首のシワが無くなったり、首が太くなったりします。
筋力強化トレーニングはやめたら終わる
筋力強化トレーニングは初期であればあるほど、止めた時点で成長は終わります。
なぜなら、使わない筋細胞は萎縮していくというのは喉に限らず人間の自然な現象であり誰も逆らえないことだからです。
ですが、ある程度の筋力まで育てると、トレーニングの間隔を長く休んでも初期の頃のような脆弱な筋力に戻ることはありません。
(これは引退したアスリートが今まで育ててきた筋肉が、素人レベルまで落ちることはないことと似ています)
筋力強化は地声筋側であろうと裏声筋側であろうと長期の作業になります。
このトレーニングを長期で続けられるのかどうかが成長の一番の鍵なのです。
音質変化の過程
これはとても重要な情報ですが、音質の変化には特徴があります。
変化①地声であっても裏声であっても、かなり脆弱な声区音質というものは空気漏れが多い音質から始まります。
(これは声帯自体を「締める」「伸ばす」といった作業能力が弱い為に声帯振動が弱く、息が余分に漏れて声帯を通過してしまうためです)
変化②少しずつ両声区ともに中音域から少しずつ声が輪郭を持ち始めます(ハッキリしてくる)
変化③次いで、「あ」母音が明らかに出しやすくなり、空気漏れもかなり減ってきます(裏声に顕著に聴かれます)
変化④裏声レンジでは高音域が広がり始め、最後に低音域も音質の輪郭がハッキリしてきます。
変化⑤最終的には音域全てで音質のムラが無くなってきます。(中音域だけ強く、高音域や低音域は弱いというものが無くなってくる)
ほぼ例外なく、この過程を踏みながら筋力強化は進められていきます。
(段階により負荷を強くかけるトレーニングに変えていきます)
上記した過程で重要なことは『地声、裏声の出し方は初期から変えていない』ということです。裏声であれば地声を混ぜることない純粋な裏声にも関わらず音質が変化の過程を経ていくということです。
まとめ
まとめ①筋力強化が進んでいるか否かは音質で判断するしか術はない
まとめ②筋力トレーニングは止めた時点で成長は終わる(意識的に鍛えないと筋力強化が勝手に起こることはない。そして長期トレーニングが必須)
まとめ③筋力強化の過程での音質の変化の特徴を知る(「音質の変化過程」に記述)
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