皆さんこんにちは!
今回は『声区について』を記事にします
声区(レジスター)に関しても、様々な情報が飛び交っています。
ですが既に医学的な観点から「声区」の考え方には決着がついているので、過去の賢人達の言葉を借りながら見ていきましょう!
動画付き記事の最後ではYouTube動画でも解説していますので、ぜひご覧ください!
では、いってみましょ〜♪
声区についておさらい
まず、声区についてのおさらいから行いましょう。
簡潔に書くと声区とは『地声と裏声の区分のこと』です。
ちょっと医学的に書くと声区とは『披裂筋系統と輪状甲状筋系統の主な運動形態を示す音質的区分』のことです。
大事なことは理解することなので、理解できる方を覚えてください。
理解せずに文面だけ暗記するのは意味がないのでやめた方が良いです。
今回の記事は、この地声と裏声を分ける声区について詳しく解説します。
声区が2声区なのは何故なのか?
声区の数は地声と裏声の区分のことなので2声区となります。
これは本当に大切なことなので絶対に忘れてはいけません。
なぜ声区の数が決まっているのかというと声帯運動が『閉める』『伸ばす』しかないからです。
確かに声帯というものは、その縁を形成するような細かな筋肉により部分的に閉めたり、中央部分だけ開けたりと音質イメージにより様々に形態を変えます。
ただ、それでも運動の大枠は『閉める』と『伸ばす』だけなのです。
それ以外に動きを生み出すことはできません。
その中で、閉鎖力がメインなのか、伸張力がメインなのかによって声区は区分されます。
ですので声区の数は2声区のみということになります。
その声区の定義を発声学者のリードは、
『同じメカニズムが生み出している、同質の音シリーズ』と書き残しています。
同じメカニズムが生み出す音とは「伸張のメカニズムが生み出す音がメインであればそこに少しの閉鎖力が入っていても裏声声区とみなさなければいけない」ということです。
このような定義を無視してしまい、声の音色に応じて細分化(つまり10や20や30声区のように)してしまうと迷宮が完成し、出てこれなくなります。
本来は存在しないものを探す旅へと旅立つので、残念ながらどこにも辿り着けないことは言うまでもありません。
歴史的に考えてみると、細分化が起こってしまった大きな原因は1864年にマヌエル・ガルシアが発明した喉頭鏡による声帯運動の視覚的研究によるものが大きいです。
歌手が行う発声のイメージにより様々に形態を変化させた声帯を見た様々な研究者が声区を細かく分けてしまいました。
その結果何が起こったのかと言うと、ボイストレーニングの進歩は一旦そこでピタリと止まってしまいました。
そう、歌手たちは全く上手くならなかったのです。
そのような歴史的な過ちを繰り返すことほど無意味なことはありません。歴史から学ぶことが大切です!
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