こんにちは!
このブログでは、歌を勉強している方々の為になるような発声に関する有益な情報をUPしていこうと思っています。
初回は、ミックスボイスについて正しく理解しよう!というテーマでお送りします。
理解することは、とても大事です。
なぜなら、常に正しい発声のゴールを目指して練習を重ねている以上、そのゴールの存在を明らかにする必要があるからです。(ゴールが分からないと訓練の道筋は絶対に分かりません)
では皆さんはミックスボイスの定義をご存知ですか?
この定義を知らないとミックスボイスが何なのかがサッパリ分からないままにトレーニングをし続けることになってしまいます。
ミックスボイスには定義がある
もしミックスボイスの正体を理解せずに練習しているとすれば残念ながら一生かかってもゴールには辿り着けません。
なぜならゴールが何なのか、どこなのかを知らないからです。
時にボイストレーナーの方でも「ミックスボイスに定義はない」と言ってしまう方がいますが、その場合はもう少し歴史的な面から発声を学ぶほかありません。
ミックスボイスの定義は、既に伝説的な発声教師でもあるリードがその書物の中で名言しています。
ミックスボイスの定義とは
「地声と裏声の音圧、音質ともに極限まで等しく鍛えられた際に現れる両方の声質を持った声」のことです。
この定義は本当に大切なことなので覚えてください。
この定義の理解こそがボイトレにおけるスタートラインなのです。
ミックスボイスを論理的に紐解く
発声時、声の音というのは声帯を震わせることで発生します。
その音が口の形などを変えることで共鳴し増幅されて声になります。
しかし声帯自体は自分で動くことはできません。
声帯には重要な筋肉が2種類あり、披裂筋群と輪状甲状筋と言います。
閉める披裂筋群は声帯を閉めて地声を出します。
伸ばす輪状甲状筋は声帯を伸ばして裏声を出します。
この2つの筋肉の筋力や、扱う技術が歌う時の声の大きさ、音程良さなどを決定します。
例えば男性の場合、多くの方は普段の生活ではほぼ地声しか使いません。
裏声発声は殆ど行わないのが普通でしょう。
その場合、披裂筋群が輪状甲状筋よりもかなり発達しています。
女性の場合は裏声を多用する方も多いと思うので輪状甲状筋が披裂筋群よりも発達しているかもしれません。
何が言いたいのかというと、声をミックスさせることにおいて1番重要なことは何でしたか?定義は覚えてますか??
「あっ!!!!」と思ったあなたは凄いです。
ミックスボイスの定義は「地声と裏声の音圧、音質ともに極限まで等しく鍛えられた際に現れる両方の声質を持った声」
地声と裏声が極限まで等しくなければ正しくミックスされ得ません。
残念ながら100%無理なんです。
この声のバランスを無視して無理やりミックスさせるとどうなるのかについて、リードは「バランスの悪い2声区(地声と裏声)を無理に結合させた場合、もう外すことは殆ど不可能」だと書き残しています。
つまり、どのような音質になっても、もう発声を元には戻せないと言っているのです。
声帯は、音階を上って行く際には披裂筋群(地声)から輪状甲状筋(裏声)に移行していきます。
高音に向かう途中で地声が苦しくなってきて裏声に切り替えるブレイクポイント(換声点)と呼ばれる箇所に差し掛かります。
ここで両方の筋力が等しく整っている場合、スムーズに音のバトンが披裂筋群から輪状甲状筋に渡ります。
このバトンを受け渡す時に地声と裏声を滑らかに自由に行き来できる声がミックスボイスです。
逆に筋力バランスが悪い場合、筋肉の切り替えの際に声帯の振動が上手くいかずギクシャクすることで声が裏返ります。
この悪い筋力バランスを徹底的に等しくコーディネートするのがボイストレーニングの大事なテーマの1つなのです。
どの動画や情報を見ても教えてはくれませんが、ミックスボイスは論理的に医学的に説明することができます。
ということは、正しいトレーニングを続けて筋力バランスを完璧に整えることで声はミックスされるということです。
※声帯の縁には声帯筋という筋肉が存在し、その筋肉がハンドリングを行いながら声区変換のインターフェースの役目を担いますが今回は簡略化するために省きます。
このように声を少しずつ理解していくと、トレーニングの進み方もスムーズになります!
一緒に頑張りましょう♪
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