皆さんこんにちは!
さて、今回はボイストレーニングの基本的な考え方で、めちゃくちゃ重要な内容について記事にしたいと思います。
「声区(レジスター)を分離させる」というテーマです。
声区(レジスター)について
こちらの動画で確認して頂いている方はもう既に理解済みだとは思いますが、まだ知らない方にも分かるように文面でも軽く触れます。
声区(レジスター)とは、簡単に言うと地声と裏声の区分のことです。
声区の数は2声区です。
ここを間違えてはいけません。
シンプルに地声と裏声の2つだけです。(声区を多大な数に細分化してしまう方もいらっしゃいますが、どのような声帯変化を用いようとも、ただの閉鎖と伸張の力学的変化によるものなので声区の数は増えませんので注意です。)
まずは声区を分離させることの大切さ
以前までの記事でお伝えしたように地声と裏声を綺麗に出すことで声区を分離させることがボイストレーニングにおいて最初の狙いになります。
(ごく稀に生まれつき2声区のバランスが良く見事に声区が融合している(生まれつきのミックスボイス)方もいらっしゃいますが、ここでは例外とします)
特に初期のトレーニングでは、地声と裏声を分離することで個々での筋力強化、コントロール技術(神経系のトレーニング)などを主体的に養います。
昨今の国内のトレーニングでは2声区のバランス関係が悪いにもかかわらず、声区をすぐに結びつける方策を取るトレーナーがとても多いです。
これは発声の根本的な上達への道をみすみす手放すことで、本当に残念なことです。
声区を綺麗に分離させ個々で負荷トレーニングやコントロールトレーニングを進めていくと、2声区の筋力バランス、コントロール技術というものが同じようなレベルに近づいてきます。
最終的に2声区を完璧に融合させることがゴールですが、その道の途中でも明らかに声の制限が1つ1つ解消されていきます。
しかし声区を分離させることができないと、例えば裏声だけに負荷をかけようと思って発声した声に地声の成分が添加されていることが多々あります。
これがどういう意味を持つかと言うと
「伸張力だけを鍛えたいのに閉鎖力が加わり負荷がかかりきらない」という現象が起こります。
筋力トレーニングにおけるフォームの乱れは負荷が逃げることを意味し、筋力強化ができなくなります。
(何年、負荷トレーニングを行っても無駄になるという最悪の自体を招きます)
ですので、ボイストレーニングにおいて第1に大切なことは「声区(レジスター)に関する正しい知識」と「声区(レジスター)を綺麗に分離させる技術」ということになります。
まとめ
まとめ①声区(レジスター)とは純粋な地声と裏声の区分のこと
まとめ②声区は2声区である(多数に細分化すればするほど迷宮に入り込んでしまう)
まとめ③声区を分離させることで、個々で上達させることが可能になる
まとめ④2声区のバランスをコーディネイトせずに無理に結びつけようとすると必ず失敗に終わる(音質の歪み、強弱をつけられない、日によって調子が大きく変わる、などなど)