そもそも声帯は意識的にコントロールできるのか?【ボイトレ知識】

こんにちは!
歌声クリエイターの、ゆーま(U-ma)です♪

今回はそもそも声帯は意識的にコントロールできるのか?というテーマです。

私自身もトレーナーになる以前に6年間ほど様々なボイストレーニングを受けながら練習していました。
その時に常に頭で考えていたのは「しっかりと喉(声帯)を閉める」や「喉(声帯)を開ける」だったり、時には「声帯を部分的に閉める」「一点のみ接触させる」といった具合のコントロールです。

こういった直接的なコントロールは本当に可能なのでしょうか?

答えはNOです。

体の構造上、声帯は意識的に動かせないという事実

このNOという答えは私自身が個人的に言っているわけではなく、身体的に、医学的に絶対無理なんです。残念ながら。

6年のトレーニングの末に上達が見られずに落胆し、自身の知識をしっかりと深めようと医学院へ入学し喉の構造、筋学、神経学を学ぶ中で最も衝撃を受けたことは、
声帯を動かす筋肉は不随意筋(平滑筋とも言い自身のコントロール意志が及ばない筋肉のこと)である
ということです。

声帯を動かす数ある筋肉の中で主要な披裂筋群輪状甲状筋の2つを例に挙げてもよいのですがWikipedia情報であっても、2つの筋肉ともに平滑筋(不随意筋)という表記がされています。(これは医学書でも同じです)

では直接的にコントロール不可能とはどういう意味か? この問いに答えていきましょう。

意識的に動かせない理由は神経支配にある

ブログをご覧の皆さん、今すぐ胃を動かしてください。いや、腸でもいいですよ
こう言われて、すぐさま動かせた方はいますでしょうか?
一人もいないはずです。なぜなら胃や腸は直接動かすことのできる神経支配を受けていない部分だからです。

内臓は人間が直接コントロールできないような神経(迷走神経の枝)の支配を受けています。なので直接意志の力では動かせないんですね。

では声帯の主要な筋肉の2つはどうでしょうか?

披裂筋は(反回神経=迷走神経の枝)

輪状甲状筋は(上喉頭神経=迷走神経の枝)

ともに内臓と同じ神経支配を受けます。

こういった医学的理由から直接コントロールすることは不可能なんです。

発声の上達に一番大切なことは練習量ではありません。
正しい情報に基づく練習であり、正しい練習の練習量なんです。

この当たり前な原則は私自身が遠回りをしてきて断言できます。

情報社会で沢山の情報が錯綜しています。そして正しい情報を選別する方法は裏付けを取ること以外にありません。これはボイストレーニングに関する情報でも同じことなんです。

人間の体の構造上、直接的意志では決して動かせないものを必死で何年も思う通りに動かしてやろうとするのではなく、正しい上達への道筋を知ることで着実に上達していってもらえれば幸いです。

声帯のコントロールは間接的な方法で可能になります。この辺りは、次回以降の記事に改めます。

ゆーま
「声帯は直接コントロールできない」ことはボイトレでは大切な内容ですので忘れないように♪
声帯のコントロールは音質イメージで可能になりますのでご安心を!その記事は改めて次回以降で!