皆さんこんにちは!
今日は、とても質問の多い「発声練習は、大きい声が良いのか?小さい声が良いのか?」について書いてみたいと思います。
ぜひ、最後までご覧ください!
大きい声が基本になることが多い
まず結論から書きます。
『ボイストレーニングは綺麗な発声(完全な地声、もしくは裏声)で大きな声』が原則です。
その理由として、
理由①純化した綺麗な発声に対して負荷をかけるため
理由②最大ボリュームを担保しないと曲中のダイナミクスが出せない
理由③音量を抑える発声の方が難しい(最大ボリュームが大きくないと発声しにくい)
などが挙げられます。
理由①に関しては、何度も繰り返しているので追記の必要はありませんね。
純粋な声区での発声じゃないと負荷が分散します。(不完全な混ぜ声などは負荷がかかりません)
理由②は、最大ボリュームが小さいと曲中で操作できる音量幅が狭い為、表現に支障をきたします。
特に音量を必要とするダイナミックな表現ですね。
そして、今回の記事の中で一番伝えたいことは、
理由③「音量を抑える発声の方が難しい(最大ボリュームが大きくないと発声しにくい)」です。
例えば、多い症状としてファルセットの高域(E5以上)を小さい音量で出せないシンガーが多数います。
この症状を改善しようとし、小さい音量で何度も高域に挑みますが恐らく改善は難しいでしょう。
なぜなら、その殆どがE5以上の音に対してアタック(音の立ち上がり)から、しっかり綺麗な音質で強く発声できないからです。
実は改善方法として用いるのは、E5以上の音に対して強く綺麗にアタックさせたロングトーンのボリュームを小さくしていく方法です。
「安定する音量を綺麗に出してから小さくしていく」これが大切です。
言い換えると、強い音が出なければ、小さく発声することへのアプローチすらできないということです。
小さな声の弊害
小さな声で発声することに慣れてしまうと、弊害も大きいです。
まずは「喉声(喉歌い)」になりやすくなります。
これは、明瞭に発音できないことによって腹圧の助けを得られないことが原因です。
言葉が不明瞭な発声は、お腹からのパワーを受け止めにくいので喉締めが起こりやすくなります。
明確に発音できる音域にも関わらず、空気成分が多く聞こえる発声は注意が必要です。
(筋力が脆弱で発達途中の裏声は空気漏れが多いので、気にしなくても大丈夫です)
あとは、普段から小さな声で発声するシンガーは、大きな声で発声することに対しての恐怖心を持つことも多いです。
しっかりとパワーを伝えることが怖い為に、本来持っている最大ボリュームをみすみす手放してしまいます。
まとめ
もちろん例外として小さい声を出させるアプローチもありますが、今回の記事ではボイトレの基本的な考え方を書いてきました。
まとめ①『ボイストレーニングは綺麗な発声(完全な地声、もしくは裏声)で大きな声』が原則
まとめ②小さな声に慣れてしまうと弊害も多い
(喉声(喉歌い)や、大きな音量発声への恐怖心など)