こんにちは!
今回のテーマは「声帯を動かす筋力バランスの重要性」です。
では、いってみましょ〜!
この記事の目次
声帯は筋肉のチカラで働く
先ずは、「声帯は筋肉が動かす」という単純な構造を理解することが大切です。
声帯は筋肉がどのように動くのかによって音質が様々に移り変わります。
例えば、反回神経麻痺(輪状甲状筋機能不全)が引き起こされると裏声はおろか、音の高低を取ることもままならなくなります。
これは、支配神経の麻痺で裏声を出すための筋肉が麻痺したためです。
要は神経が筋肉に指令を与え、筋肉が動くことで発声を行えるということです。
声帯を取り巻く筋力バランス
声帯を動かすためには筋肉の働きが必要だということに続いて、次はその筋肉たちの筋力バランスについてです。
分かりやすい1つの例を挙げます。
地声の筋肉(ヒレツ筋を含む閉鎖筋群)がとても強く、逆に裏声の筋肉(輪状甲状筋を含む伸張筋群)がかなり脆弱な場合、その人の声には特徴的な症状がみられます。
地声で音階を上っていくとブレイクポイント近辺より音が♭(フラット)し始め、顎の下辺りに強い緊張感が出ます。
ボイストレーナーは他にも様々な特徴を判別し改善策を構築していきますが、この特徴は日本人の男性に多いので腑に落ちる読者さんも多いかもしれません。
この例の症状の方が地声で高い声を出したいからと言って、苦しみながら地声の高音域の練習をひたすら頑張って行っても音域は伸びません。
なぜなら、伸張筋群の手助けを受けずにブレイクポイントより上方の音域に楽に上っていくのは不可能だからです。(歪な音質であれば可能かもしれませんが...)
「歌声は声帯を取り巻く筋肉の筋力バランスが常に声に関係する」ということです。
これを踏まえれば、「地声を改善する為に裏声を練習する」ということや「裏声を改善する為に地声を練習する」といったことが少し見えてくると思います。
地声発声の際でも特に高音部は裏声の筋力が必要になりますし、裏声発声の特に低音部は地声発声の筋力が必要になります。
そう、閉鎖筋群と伸張筋群は表裏一体の関係性であり相棒なんです。
この関係性のことを「筋の相互作用」と言います。
ここまでの内容を読んでいただければ地声を強くしたり高音発声を行ったりしたいがために、裏声を放置し地声のみを訓練するということはしなくなると思います。
2声区それぞれがとても大切で、歌の上達には両声区ともにレベルを上げることが大事だと知ってください。
まとめ
まとめ①神経が筋肉に指令を与え、筋肉が動くことで発声を行える
まとめ②歌声は声帯を取り巻く筋肉の筋力バランスが常に声に関係する
まとめ③閉鎖筋群(地声)と伸張筋群(裏声)は表裏一体の関係性であり相棒(筋の相互作用)