綺麗な裏声(ファルセット)を出す。

      2017/10/04




こんにちは。ボーカルスクールMVS公式ブログをご覧くださりありがとうございます!

本日のブログテーマは「綺麗な裏声を出す重要性」について。それに加えて裏声発声が上手くできない方へのコツについても触れたいと思います。

まず始めに裏声(ファルセット)発声が起こる際の声帯の動きを簡単に説明させていただきます。
声帯には大きく分けて閉鎖力伸張力の動きがあります。そして裏声は伸張力(声帯を伸ばす)を強く必要とする発声です。

裏声発声の際に声帯を伸張させる筋肉で覚えておいても良いのは輪状甲状筋です。(他にも伸張筋はありますが特に覚えなくても大丈夫です)
この筋肉は甲状軟骨という軟骨を傾けさせることで、そこに付着する声帯を伸張させます。
ですのでシンプルに輪状甲状筋の筋力が脆弱であれば伸張力も発揮できず、裏声は弱くなり、裏声発声時の音の高低も狭くなります。(地声発声の際の筋肉、その動きについては地声についての回でご説明します)

この筋力の話は単純なのですが重要です。例えば幼少期から裏声発声を日常的に行っていた方と、そうではなかった方とを比較すると伸張筋の発達具合に差があり裏声の音質や音量にも差が出てしまいます。ですので裏声が脆弱な方は1から裏声発声を身につけ、鍛えていくという過程を必ず必要とします。(歌上達に向けて、ミックスボイス習得に向けては必須項目です)

 

裏声発声時によく起こる問題

裏声発声が上手くいかない方の中で特に多いのは喉締めが起こってしまう症状です。声帯を伸張させるはずが過度に閉鎖(喉を締め上げる)させてしまうのです。
どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?
原因の一つとして考えられるのは「裏声の音量を無理に大きくしようとしてしまう癖がついている」ことです。どういうことかというと、純粋に発声したリラックスした裏声発声では音が脆弱すぎるために、伸張筋の持つ筋力リミット以上に大きく出してしまい、声が破綻してしまうというパターンです。
このような方は一度発声トレーニングの優先順位について考え直してもらえればと思います。優先順位の最上位は「綺麗に」出すことです。
裏声発声を強くしようとした途端に発声が乱れるのであれば、まず綺麗に発声をキープできる力量で発声することが大切です。そして常に綺麗に出せるようになってくれば少しずつ音量を上げていく過程を踏んでください。(この際に声揺れや、声割れがあれば綺麗に発声できる音量ポイントまで再び戻します)

逆に裏声発声の際に息漏れが多く声にならないという場合、考えられるのは伸張力が脆弱すぎるために声帯を安定的に密着させられずに空気漏れが引き起こされているパターンです。この場合の改善策としては一番音になりやすい音階の高さを選び(おそらくA4付近が多いかと思います)その音を2〜3秒ほどのロングトーンで裏声発声を行うことです。声帯を安定的に伸ばせない状態で高音や低音を裏声発声しようとしても問題が多すぎるので、中音域の出しやすい高さから裏声に慣れていってください。

 

裏声発声のコツ

続いて裏声発声のコツをご紹介します。文章ではなかなか難しいのですが簡潔に書けることのみ書かせていただきます。

・中音域(男女ともにA4付近)で喉締めが起こる方や、裏声を出すことを初めて行う方は、まず空気を多く吐くイメージで発声する。
私は感覚的トレーニング論者ではありませんが、どうしても文章で書くとなると伝え方はこうなってしまいますね。誤解なく言うと最終的な綺麗な裏声発声というものは空気を多くなどということは一切考えません。ですが喉締め(地声を出す筋肉の過緊張)が起こっている場合は空気を多く吐き出すイメージを持つことで喉の緊張を緩和できることが多々あります。裏声中音域での喉締めというのは普通であれば考えられないのですが輪状甲状筋優位で発声したいのに披裂筋(地声の筋肉)が強く介入してしまっていることで喉が締まる感覚に陥ります。

初心者の方も、まずは地声が裏声に介入しないように保険をかけながら発声しておき、喉がリラックスした状態で常に裏声が安定してくれば空気を多くというイメージを取り払い、「裏声ではっきりと発音する」というシンプルなイメージで発声するようにしてください。

・裏声がすでに楽に出る方は口外への音の抜けを意識する
すでに裏声がある程度綺麗に出る方は、なるべく口の中に音が篭らないように発声してください。裏声の筋が強くなってくるとともに音というのは口の外で響くようになってきます(逆に裏声の筋力が弱い方は、いくら頑張っても口の外に音は抜けにくいです)
口の外で音が響くような感覚を掴むのも裏声発声の一つのコツです。

・裏声での高音部発声で共鳴を意識する

これも裏声のコツです。安定的に中音域を出せるようになれば次は高音部発声を行ってみましょう(最初はC5〜D5くらいまでで大丈夫です)
この際に大切なのは裏声の発声は常に同じ(高さに応じて出し方を変えないこと)なのですが響きは高くなっていくということに慣れるようにしてください。ソプラノの歌手の方は当たり前のように高音部では共鳴をスムーズに移行させています。
この共鳴の移行は綺麗な裏声発声ができていると自然に行えるようになるので音を高くしていく際に共鳴の移行を感じるようにしてもらえればと思います。

 

まとめ

・裏声発声には声帯を引き伸ばす筋肉が関係している(輪状甲状筋など)

・裏声発声トレーニング時の優先順位第一は「強く出す」ではなく、「綺麗に出す」

・裏声コツ①初心者、喉締めの方は空気を多くをイメージする

・裏声コツ②口の中に音が篭らないように、口外での響きを意識する

・裏声コツ③高音部発声では共鳴の変化を感じながら発声する

以上、今回は「裏声(ファルセット)」に関してでした!
これからも「理想の歌声を目指す全ての人へ」有益な情報を発信していきます!最後までご覧いただきありがとうございました。

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20歳より音楽活動をスタートさせ様々なボイストレーニングを6年ほど実践してきたが上達せず断念。その後、医学的な観点からのアプローチが必須であると気付き医療学院へ入学し首席で卒業する。 コーネリウス・リード著「ベルカント唱法」の完璧な発声理論に感銘を受けトレーニングを再開し、声区融合(ミックスボイス)を完成させることに成功。 現在、ボーカルスクールMVSでの指導に加え、正しい声の知識を全国へ普及するべく様々な活動を行っている。

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